絶対に税理士になる!

「絶対に税理士になる!」
と母に約束して、晴れて東京に来た私ですが、一体税理士試験ってどれだけ難しいものなのか、全く知りませんでした。
それどころか、「専門学校を卒業したら自動的に資格がもらえる」と思っていました(笑)。
母との約束から1秒でも早く抜け出したかった私は、最短で税理士資格を取るにはどうすれば良いのか。当時の担任に聞きました。
すると、大原簿記学校には「特別クラス」というものがあり、どうやらそのクラスに入ることが最短だということがわかり、高校3年生の1学期だけ猛勉強してなんとかそのクラスに入ることができました。
特別クラスは卒業式の3月3日からスタート。
そこから猛ダッシュで勉強をして、6月11日の日商簿記1級合格を狙うという、今思えば超無謀なチャレンジでした。
なぜ日商簿記1級を取るかというと、税理士試験には受験資格というものが必要であり、受験資格のないものは税理士試験を受験することすらできないからです。
受験資格には他にも、経理の実務経験2年以上(当時は5年だった)や、大学での一定の単位取得などいくつかの道があるのですが、高校を卒業したばかりの私が一番早く取得できる可能性があるのが、日商簿記1級もしくは全経簿記上級と言われる同レベルの簿記検定だったわけです。
ところが私は、この受験資格取得に大苦戦。
今振り返っても税理士試験を含めた過去に受験した試験全ての中で、このチャレンジが一番難しく辛い日々でした。
税理士試験は毎年8月の初旬に実施されます。
そして、その申し込み期間は毎年5月中旬。
当然申し込み時には受験資格があることを証明する書類を添付しなくてはなりません。
従って申し込みが始まる5月中旬までに、日商1級に合格していなくてはならないことになります。
専門学校は通常2年間。
2年生の8月に税理士試験に初受験するとしたら、受験資格である簿記検定を受けられるタイミングは3回。
1年生の6月と11月に実施される日商1級、そして翌年2月に実施されている全経上級。
このいずれかで合格すれば2年生では一度受験できることになりますが、もし落ちたら6月まで簿記検定は実施されないため在学中に一度も税理士試験を受けないまま卒業してしまうことになります。
この3回で絶対合格して受験資格を取らなくちゃ!
そしてなるべく早く合格しないと、試験までの勉強時間がどんどんなくなってしまう。
そう思った私は、特別クラスで猛烈に勉強しました。
3月からこの6月までの3ヶ月間、毎日休みなく始発で学校に行き終電で帰ってくるという日々。
朝・昼・晩すべての食事を学校でとり、毎日おにぎりや近くのお弁当屋さんの食事。
睡眠時間は毎日3〜4時間でした。
しかし、こんな生活を3ヶ月続けて、体も肌もボロボロに…。
実は途中から先生の授業が全く頭に入らず、先生が話す言葉自体理解できず一体何をやっているのかも全くわからなくなっていました。
それでも、ここでこの生活をやめてしまっては私だけ取り残されてしまうのではないか、という恐怖から、この無茶な生活を止めることができませんでした。
そして迎えた1回目のチャレンジ。
結果は不合格。
全く歯が立たず、問題を読んでも一体何を書けば良いのかさえわからないほど、全くわかりませんでした。
そりゃそうですよね…(笑)。
あの頃の自分に、「もう6月は諦めて11月に必ず合格できるように準備しな」って言ってあげたいです。
こんな状況だったので、不合格という結果を聞いても「そりゃそうだよな」とショックでもなんでもなく、むしろ「やっと地獄から解放された」という安堵感であったことしか思い出しません。
この経験で学んだこと、それは…
- 勉強習慣が全くついておらず、勉強のやり方がなっていない
- 睡眠なしで勉強するのは自分に合っていない
ということ。
11月の受験までは5ヶ月間ある。
しかも2回目の受験。
自分のペースで勉強して、次の受験で絶対合格しよう!と決意して11月受験に向けて走り始めました。